妊娠によって新たな命が誕生することは、本来とても喜ばしいことのはずですが、いろいろな事情によりそうでない場合があることも事実です。 そんな時は、人工妊娠中絶という手段を選ばざるを得ない場合もあります。きちんと避妊をしていたはずなのに、といくら考え、自分の中で主張しても、妊娠という事実が覆ることはありません。常に自らの問題として捉え、考えておくべきことです。 中絶手術そのものは、多くの産婦人科やクリニックでしてもらう事は可能です。ただ日本では、母体保護法という法律を根拠に、21週と6日を過ぎた場合はできなくなります。その期間を過ぎた場合は、出産せざるを得ないということです。 中絶手術をするという選択は、とても重いテーマです。簡単に決めることはできない人が多いですし、パートナーを含めいろいろな人に相談をしてから決断をしたい問題でもあります。 じっくり悩みたい、デリケートな問題であると同時に、早い決断が求められるというジレンマに、妊娠した人が苦しむ場合が多いです。 しかも、妊娠をして自分がそうなったことにすぐに気がつく人は稀で、妊娠に気づいた時はすでに数週間が経過している場合がほとんどです。考える時間はさらに短くなります。 中には、自覚がないまま21週と6日を過ぎてしまう人だっています。そうならないためには、少しでも心配な人は、妊娠検査薬などを使ってチェックをしてみることが重要です。 万が一のことも考えておかないと、後々困ったことになるという事実を知っておくべきです。

そして、この21週と6日の期間内でも大きく二つの期間に分かれます。概ね12週間を経過するまでは初期妊娠期間と呼ばれ、手術も比較的簡単です。しかし、この期間を過ぎれば一気に中絶手術は難しさを増します。 初期妊娠期間で中絶をするときは、掻爬法や吸引法という術式が採用されます。掻爬法とは、スプーン状の器具を使って胎児を胎盤ごと体外に掻き出す手術の方法です。 吸引法は掃除機のような器具を用い、体外に吸い出すイメージです。どちらも手術は比較的簡単で、日帰りもできます。費用としては、一般的に10万円から15万円かかります。 中絶手術をする場合、女性は周りにバレたくないという意識が強いため、日帰り手術を望む人が多いです。初期妊娠期間に行われる掻爬法や吸引法であれば、ほとんどの場合その日のうちに退院できるので周りにもバレずに済ませることが可能です。

中絶手術にかかる費用とリスクについて

妊娠から12週くらいまでの初期妊娠期間であれば、費用もリスクも少なく済みますが、この期間を超えるとそうはいかなくなります。 基本的には、薬で陣痛を起こし出産とほぼ同じ方法で人工妊娠中絶が行われます。体にかかる負担も、費用に関する負担も大きいです。少し幅はありますが、12週を過ぎれば、おおよそ35万円から50万円の費用を負担する必要が出てきます。

体と同時に、心に傷を負うリスクも増します。命を失うという意識はよりはっきりとしたものになり、じわじわと罪悪感や喪失感にさいなまれる人が多いです。そこからなかなか立ち直れないという人も珍しくありません。 手術による体へのリスクも、概ね12週を境に違ってきます。初期妊娠期間の中絶手術では、麻酔アレルギー、子宮内感染、子宮穿孔などが挙げられます。 それ以降の手術で考えられるリスクは、子宮内感染、子宮破裂、子宮頸管裂傷、多量の出血などです。より危険度が増すと言い換えることもできます。 あらゆるリスクや費用が、初期妊娠期間とそれを過ぎた期間では大違いです。まずは赤ちゃんを身ごもったことに早く気がつくこと、そしてそれがわかったらできるだけ迅速に決断を下すことが、赤ちゃんにとっても母体にとっても重要な意味を持ちます。